医療法人社団  
北小岩整形外科

Kitakoiwa hand clinic

手の外科 TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)

手関節のいたみ(TFCC損傷、三角線維軟骨複合体損傷)

 
TFCCとは三角線維軟骨複合体といい、手関節尺側(小指側)にあり手関節尺側を安定させ、また衝撃を和らげるクッションのような役割を果たしています。このTFCCが手関節を捻ったり加齢性の変化により損傷することを言います。
 
症状
手関節尺側(小指側)に痛みがあり、特に手関節を回外(手のひらを上に向けるように手関節を捻る)したり回内(手のひらを下に向けるように手関節を捻る)したりした際に痛みを感じます。(ドアのノブやドライバーなどを回した際に痛みを感じるなど。)
手関節部の腱鞘炎や手関節の靱帯損傷による不安定症との鑑別を要します。
 
原因
加齢によるもの
外傷によるもの
 
診断
触診での圧痛部位。
piano key sign
コンプレッションテストでの疼痛の誘発をみる。
 
画像診断
①X線撮影 尺骨突き上げ症候群(尺骨が橈骨よりも長いこと)の有無
②MRI検査
③関節造影検査(X線透視検査) 手関節に造影剤を注入してそこから造影剤が漏出を見る。漏れ出している場合は、靱帯損傷と断定が可能となる。
④関節鏡検査
 
治療
まず、基本的には手関節を動かさないように装具などで安静にします。
テーピング、運動療法などのリハビリテーションを行い尺側部の圧迫を軽減します。
関節内ステロイド注射 関節内の炎症が強く、痛みを伴う場合に有効です。
それでも症状が続く場合に手術を行います。
関節鏡でのTFCC部分切除術やTFCC縫合術。
尺骨突き上げ症候群の場合、尺骨(前腕{肘関節と手関節の間}の小指側の骨)の短縮骨切術などを行います。