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北小岩整形外科

Kitakoiwa hand clinic

整形外科 骨折の固定と合併症について

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骨折と靭帯損傷における固定について

骨折の場合、ズレの状態や安定性により固定はギプスあるいは手術による固定を行います。
靭帯損傷でも、程度によりテーピング、包帯固定、バンド固定、サポーターなどの固定を行いますが、程度が強いものではギプス固定が必要となります。
 
 固定が必要とされるかは、患部の状態(腫れや痛みの程度)や、レントゲン検査での骨の状態により判断します。経験がないとわからない程のごく軽微な骨のズレや時間が経たないとわからないような骨折かどうか一回のレントゲン検査では判断できない骨折もあります。
特に小児の場合、成長線の損傷(骨端線損傷)や関節内の骨折では診断が難しいため、骨折が疑われる側だけでなく健側も撮影をしたり、ギプスなどで固定して定期的なX線観察を行い、診断を付けます。
 
 固定を行う時によくある事なのですが、突然骨折していますとか骨折の可能性があるので固定が必要ですというとほとんどの患者様は驚きます。そして固定すること自体自由を奪われる行為なので、拒否される方も中にはいらっしゃいますし、固定を行なったとしてもクレームを言われることも多々あります。そのため、ご納得いただけるよう何度も説明申し上げるのですが、なかなかご理解いただけない事もあります。
ここまで言われる位なら積極的に固定を行いたいとは思わないのですが、このような経験を踏まえてでもギプス固定が必要だと判断する状態というのは、本当に必要な状態であるということをご理解いただければと思います。
そして、どうして固定を行いきちんと治す必要性があるかということですが、骨折や靭帯損傷に続く合併症の存在があるからです。
 

合併症について

骨折の場合、偽関節(骨折部がつかない状態)があります。また靭帯損傷では関節の不安定性が残り、痛みや怪我が再発する可能性があります。
 子供の場合、成長線の損傷(骨端線損傷)により、将来的に成長障害や変形障害を生じることがあります。左右の長さに差を生じるため、手術が必要になることもあります。
また、長期的に見て、変形性関節症を起こし、生涯痛みが残る可能性もあります。
 
 レントゲン写真で古い骨折がある方、関節にすでに変形が生じている方、靭帯が切れて関節がグラグラになっている方などを外来でたまに拝見することがあります。以前怪我したことがありますかと尋ねると記憶にない方もいらっしゃいますし暫く経ってから思い出す方、接骨院や他の施設で捻挫と言われたとおっしゃられる方も結構いらっしゃいます。
 怪我をした時は、すぐに医療機関を受診し、自己判断で治療をやめたり、固定を外したりせず、医師の指示に従うようにいたしましょう。