手指の変形 マレット指
外傷により指の第1関節が木槌のように曲がった状態になるので、マレット変形と呼ばれます。
マレット変形のなかには、指を伸ばす腱(伸筋腱)が伸びたために生じるものと関節内に骨折が生じて起こるものがあります。
症状
第1関節が曲がったままで痛みや腫れがあり、自動伸展は不能で自分で伸ばそうと思っても伸びません。
原因
突き指の一種でボールなどが指先に当ったときなどに起こります。本当に軽い外傷で指が曲がってしまう事もあります。腱性マレット指では、いたみがほとんどない場合もあります。
病態
2つのタイプがあります。
腱性マレット指
指を伸ばす伸筋腱が切れたために生じるもので、骨折を伴わないもの。
骨性マレット指
第1関節の関節内の骨折が生じ、伸筋腱がついている骨が関節内骨折を起こしてずれた状態になったもの。
診断
指の形状が第1関節で曲がっていれば、マレット変形といえますが、骨折の有無で治療法が変わるため、腱性マレット変形か骨性マレット変形かの診断が重要で、マレット変形を診断するには、X線(レントゲン)撮影を要します。
治療
病態や受傷後の経過期間によって治療法は異なります。
腱性マレット指では一般に装具などの保存的療法が行われます(約2ヶ月間固定を外さないようにする)。また、装具固定では、固定が困難の場合、ワイヤで第一関節を伸展位で固定する手術法もあります。
骨折を伴う骨性マレット指の場合には、転位の状態で治療法が変わります。転位が少なければ保存療法でも可能ですが、転位が強い場合はワイヤで固定する経皮的鋼線刺入術が適応になることが多いです。