医療法人社団  
北小岩整形外科

Kitakoiwa hand clinic

手の外科 ヘバーデン結節

手指の痛み(へバーデン結節)

 
 指の第1関節(DIP関節)が変形し曲がってしまう原因不明の疾患で、第1関節の背側の中央の伸筋腱付着部を挟んで2つのコブ(結節)ができるのが特徴です。この疾患の報告者の名にちなんでヘバーデン結節と呼ばれています。変形の程度は様々です。
 
症状
 示指から小指にかけて第1関節が赤く腫れたり、曲がったりします。痛みを伴うこともあります。母指(親指)にもみられることもあります。関節の動きも悪くなったり、痛みのために強く握ることが困難になったりします。
 ミューカスシスト(粘液嚢腫)と呼ばれる水ぶくれのような透き通ったでっぱりが、関節の近くにできることがあります。
 
原因
 原因は不明です。一般に40歳代以降の女性に多く発生し、手を良く使う人にはなりやすい傾向があります。遺伝性は証明されてはいませんが、母や祖母がヘバーデン結節ニなっている人は、体質が似ていることを考慮して、指先に負担をかけないように注意する必要があります。
 
病態
第1関節の所見はX線(レントゲン)所見や手術所見から見ても変形性関節症です。第2関節(PIP関節)に生じる類似疾患にブシャール結節があります。関節リウマチとは異なります。
 
診断
視診や触診で、第1関節の変形、突出、疼痛があり、また、X線写真で関節の隙間が狭くなったり、関節が壊れたり、骨棘(こつきょく)があれば、へバーデン結節と診断できます。
 
治療
保存療法としては、
局所の安静(固定も含む)やテーピング。
投薬。
リハビリテーション。
急性期では少量の関節内ステロイド注射なども有効。
 
手術としては、
棘切除術や関節固定術で、
保存的療法で痛みが改善しないときや変形がひどくなり日常生活に支障をきたす場合に行う。
 
予防
第1関節が痛むときは安静にしましょう。痛くても使わなくてはならないときは、テーピングがお勧めです。普段でも指先に過度な負担が生じることを避けましょう。